はい、オフラインで獲得した名刺をMAツール「BowNow(バウナウ)」に登録することで、商談数を増やすことが可能です。以下は一般的な手順ですが、顧客ニーズや名刺内容によっても異なります。
1.名刺情報をMAツールに登録する
過去の名刺が大量にあり、社内でデータ化できない場合は、クラウドソーシングなどを利用してまずは名刺をデジタル化します。MAツールにCSVでインポートすると登録は完了です。
登録する情報は多い方が良いですが、最低限、名前とメールアドレス(※)があれば登録はできます。その後、自社の製品やサービスに興味のあるリードがフォームを通れば本人が会社名や連絡先を入力してくれますので、完璧を目指して登録が進まないようであれば、スピードを優先して最小限の情報で登録するのも良いでしょう。
※どの項目が最低限必要かは、MAツールによって異なります。これは、どの情報を使ってユニークなユーザを特定しているかがMAツールによって異なるからです。
2.最初のメールで、できるだけ多くのリードにWebサイトへ来てもらう
次に、登録したリードに対して「最初のご案内」を送ります。この最初の案内で、可能な限りWebサイトに来てもらうことが重要です。ですので、一番最初に何を案内するか、戦略的に考える必要があります。
・年始の挨拶、創業●年という時期の区切り
・新製品、新サービス、新入社員の紹介など新しい情報
・実績やインタビューをパスワード付きで送る限定コンテンツ
などを検討します。
一度Webサイトに来てもらえると、誰が、どのページをどのように閲覧したかをトラッキングできます。
3.リードがどのような行動をとったら、営業が連絡をするかを決めておく
リードがWebサイトを訪問すると行動が確認できますので、次に行うアクションは、「より関心が高い(高まった)」リードを抽出することです。
・製品の価格表をダウンロードした
・特定の製品を熱心に見てからカタログをダウンロードしたリードが、1ヶ月以上経ってから再度Webサイトを訪問して同じ製品を確認した
など、「関心を持っている行動」を定義しておき、その行動をとったユーザーが現れたら営業が電話をするなど、どのようなアプローチを行うか決めておきます。
展示会で取得した名刺すべて平等に電話をしたり、フォローをするよりも、効率よく関心の高いユーザーを抽出できるため、商談化率が高まります。
4.電話で商談の打診を行う
関心レベルの高まったリード情報を営業部門に渡し、商談のアポ取りを試みます。
この時、行動データを見たうえで電話をかけます。電話の要件としては「先日のメールはご覧いただいたでしょうか?」「先日ダウンロードいただいた資料はいかがでしたか?」となり、通常の営業電話のように思われますが、
電話をかける前に行動ログを見て、何に関心を持っているかを理解してかけるだけで、無作為に電話をかけるよりも商談化率は高まります。
わたしも個人的な体験で、何度もこのような電話をいただいていますが、本当に興味を持っている状態での営業電話は「ちょうど良いところに電話がかかってきたな。ちょっと話を聞いてみようか」と思うのです。
どのような情報でもそうですが、「必要のない人に届けばスパム、必要な人に届けば情報」なのです。
ここまでは、MAツールを導入してすぐにできることです。 さらに、MAツールを使用する本質は、リードの育成、お客様の関心を高める活動です。
5.コンテンツを分類し、リードを育成する
コンテンツには、誰に見せるかというターゲットから見た4つの分類があります。認知拡大、潜在層向け、準顕在層向け、顕在層向けです。
認知拡大 | 潜在層 | 準顕在層 | 顕在層 |
このような製品があると知っていただくためのコンテンツ企画 | 自分の課題に気付いていないユーザーのニーズを顕在化させるコンテンツ企画 | 具体的検討を行うためのコンテンツ企画 | 購入・依頼のために必要なコンテンツ企画 |
業界トレンド、用語の定義、統計データなど | 事例集、活用例、インタビューなど | 料金・価格、他社比較、導入フロー、カタログなど | データシート、FAQ、見積もり依頼 |
例えば環境試験装置を製造しているメーカーで、「環境試験の用語集」というコンテンツがあった場合、それは認知拡大を目的としています。用語を知りたい人は、製品をほしいというモードではありませんが、そのコンテンツがあることで、Webサイトへの集客が見込めます。
一方、「装置導入の流れ」というコンテンツを見ているリードであれば、本格的に検討を行っている可能性が高いですし、「他社装置との違い」という動画を見たリードであれば、製品の必要性を理解し、他社との違いが気になっているということで、準健在層あたりと考えられます。
このように、コンテンツの目的をはっきりさせておくことでリードの関心度合いが分かります。そして、認知拡大ステージのリードには潜在層向けのコンテンツを案内し、準顕在層には顕在層向けのコンテンツを配信していくことで、より御社製品への理解と関心を深めていくことが可能です。
どのようなプロセスでリードの関心が高まるのか?その心理や行動については、営業部門へヒアリングを行うことが有効です。