製造業ホームページにおいて、地名SEOについてご要望いただきましたので記事としてまとめました。
地名SEOの基本的な考え方
このように地域名(例えば小平市や東京都) + キーワード(製造業ホームページ制作など)で、検索したときにホームページを表示させる試みを「地名SEO」と言います。地名SEOは、飲食店など地域ビジネスが中心ですが、製造業であっても「エリアで企業を探したい」というニーズは存在します。
現在のGoogleは、特定の地域ビジネスについては、検索結果の順位に地域を考慮しています。例えば「美容院」と検索すると、検索ユーザーの現在地を中心に、検索結果が表示されます。これに対する施策はローカルSEOと呼ばれ、地名SEOとは異なります。
製造業の場合、多くは地域ビジネスとはみなされていません。今わたしが東京都小平市にいて「アルミ加工会社」と検索すると、小平市近郊の会社ではなく、もっと広範囲に加工会社が表示されます。
しかし、実際のところ、製造業であっても、よほど他社にない技術を持っている特殊な企業を探しているのでなければ、それほど遠くないエリアの企業と取引したいと考える企業も多いでしょう。
そして、もう少し近郊のアルミ加工会社を探そうと、「アルミ加工会社+東京」「アルミ加工会社+多摩エリア」など、なんらかの地名を付与して検索しなおします。地名SEOを行う意味はここにあります。
過去には、地名SEOを狙ってホームページのフッター部分に地域名を詰め込んだり、地域ごとに特定のランディングページを複製してSEO対策を行うことが流行りましたが、現在ではそれらはSEOスパム扱いになるリスクが非常に高いです。当社では、製造業の地名SEOについては、SEOスパムにならないように自然な形で対策するご提案をいたします。
製造業ホームページが地名SEOのためにできる5つのこと
営業エリアページを持つ
営業エリアを持つ企業であれば、営業エリアについて詳しく解説をするページを設けます。複数拠点を持つ企業であれば、それぞれの場所への「アクセス方法」を記載することで、自然とさまざまな地域名が含まれるページができあがり、地名SEOに貢献します。アクセス方法は、車、電車、バスなどさまざまな方法でのアクセス方法をいれましょう。
顧客事例の紹介コンテンツを持つ
多くの製造業では、顧客名を具体的に表示することは、なかなか難しいと思います。
しかし、この顧客が抱えている課題を「顧客が特定しないように」アレンジして紹介することは可能です。このような、顧客が抱える課題を紹介する事例ページを設けます。
そこに、地域名も含めて紹介します。特定の都道府県名をいれると、その課題の内容から企業が特定されてしまう恐れがある場合は「関東地方」「東海地方」などともっと広いエリアの名称をいれると良いでしょう。これも製造業にとっては、地名SEOのキーワードに該当します。
展示会レポートを公開する
展示会情報を、日程だけ「お知らせ」している場合が多いですが、もったいないですね、地名SEOとしては機会損失に繋がります。展示会に参加した後、参加レポートを公開しましょう。地名を含めるようにしてくださいね。同じようにセミナーや研修会に参加した場合も、後日レポートを公開すると、地名が含まれるため地名SEOに効果があります。
出展料が無料の展示会であっても面倒だからと参加されない企業もいらっしゃいますが、展示会に参加すると、出展者一覧ページなどからリンクが張られます。展示会主催団体は信頼性が高いですから、信頼性が高いWebサイトからリンクを張られるという意味でも、展示会出展はSEOにも良いです。
ネット通販を行う
少し難易度があがりますが、地域SEO強化を目指してネット通販を行います。ネット通販が製造業にとって地域SEOに貢献する理由としては、
1.全国からリンクを得やすい
2.ネット通販内の送料ページに地名が入る
3.お客様の声の獲得と公開が容易(そこに地域名を含めることができる)
ここでのネット通販とは、「売れそうなものを仕入れて消費者向けに売る」という多角化ビジネスの意味ではありません。
コミュニティ活動を強化する
最後は本質論ですが、目前の仕事のみに専念するのではなく、企業も社会の一員と考え、社会活動(商工会活動や、業界団体の活動)の時間を取ることで、自然と被リンクや地名SEOは強化されます。
コミュニティに注力しすぎて仕事が捗らなくなっては本末転倒ですが、Webサイトという「広範囲に情報を波及できるツール」をしっかり持った上で、リアルの活動を強化することは、まさに相乗効果となります。
地名SEOの優先順位
「すべての地名で上位に表示したいです」と思ったときは、どう考えたら良いでしょうか?これはつまり、商圏を全国とするということです。しかし、東京の企業で、九州から問い合わせがあった際に打ち合わせに行くでしょうか?「出張費を払ってくれれば行く」と思われるかもしれませんが、それが成り立つのは、その九州の企業が出張費を支払ってまで、相談したいと思う強い技術力、製品力がある場合のみです。
地名SEOを行う際には、競合分析を行い、地名の優先順位を考えます。例えば、車で3時間圏内の競合の状況はどのような感じでしょうか。どこかに、競合が弱いエリアがないでしょうか? 最初は、重点地域は3~5個程度に絞って地名SEOを行うのが良いでしょう。それ以外の地名については、前述の5つの方法などをとりくみ、自然と地名SEOに強くなっていくWeb運用を行っていきましょう。