未来は予測可能か?
私達は、事実を重視します。事実とは、実行の結果、得られるものです。
経営戦略が立案され、ゴールを達成するための機能戦略の一部として、Web活用、デジタル活用のニーズがあります。同じことを繰り返すのではなく、何か新しいことに向かおうと思ったとき、全ては仮説からスタートし、計画に落とされます。計画を実行すると、その中で経験が増え、その経験が視野を拡げ、次の仮説をブラッシュアップする力となります。
Webサイトを制作するとは、「すべて仮説に基づいた行動」です。「Web運用」しなくては、仮説の検証はできません。私達は、「計画は予測にすぎない」と考え、実行中心のWeb構築を行っています。
「未知」への向かい方
新事業、新製品の販路開拓など、企業にとって「新しいこと」を始めるタイミングでは、仮説度が高くなります。それは、過去の経験で活かせる材料が少ないからです。しかし、従来のWeb制作では、仮説に基づきページ構成を確定し、それをスケジュールに落とす形で進められます。すべて完成してから、やっと公開になります。たとえば半年かけてWebサイトをリニューアルした結果、仮説が違っていたらどうでしょうか? 作り直すのは非常に大掛かりであり、何よりも時間がかかります。
また、このような構築方法は、「計画変更」に柔軟に対応することは難しいです。計画変更は混乱を招き、見積り金額は高くなり、納期は伸びます。
私達が重要視しているのは、「計画は変わる」ということです。なぜなら、「やってみたら分かること」は、クライアント含め私達を成長させ、次の計画を「もっとうまく作る」ことができるからです。Web構築前にすべてを決めるというやり方は、「Webサイトを構築、運用する中で得られる経験から、人が学習し、成長する」ことを無視しています。
そこで、すべて構築してからWebサイトを公開するのではなく、小さく作って公開し、レビューしながら計画を変更(タスクを変更)する形を「Web運用」として実施しています。
具体的には、「こういう機能があったらいいよね」という項目を最初にバックログとして一覧として持ちます。定期的に話し合いながら、それを「TO DO」としてタスク化し、片っ端から実施して、結果を見ます。結果を見たときに、現在のバックログがこれで良いのか、追加するのか、削除するのか、変更するのか、そういった「計画変更」(必要であれば)を、「経験から得られた学び」をもとに進めていきます。
例えば…
例えば、「この製品は、Aのニーズに応える」という仮説があったとします。その仮説をもとに、提案ページを作成します。そこにSEO対策を施します。狙ったキーワードで10位以内に入ったとします。次のTO DOは「広告出稿」であったとします。しかし、このページのパフォーマンスが、お問い合わせ率0.01%だとしましょう。広告を出すでしょうか?
0.01%で費用対効果が合えば出せますが、多くの場合、出せないでしょう。何が間違っているのでしょうか。Aというニーズの仮説でしょうか、それとも、検索キーワードの選定でしょうか、または、ページのクオリティでしょうか?
現場の問題は、Web業界の境界線では区切れません
ここに存在しているのは、SEOか、広告か、ページデザインかの問題です。SEO業者に頼んでいたら広告の話には触れないかもしれませんし、デザイン会社に頼んでいたらSEOの問題には触れないかもしれません。
現実の数字と向き合う
結果をもとに考え方を改善する必要があります。0.01%のパフォーマンスで広告の費用対効果がとれないのであれば、予定していた「広告出稿」というタスクを削除、または優先順位を下げ、3つのうちのどれが最も「問題としての可能性が高いのか」判断し、改善を実行する必要があります。
このように、現場の問題は、Web業界の境界線を超えて移り変わります。そして、「仮説していたこと」は、ほとんどその通りにはなりません。
成功するためには、成功に近づくように改善するしかないのです。
Web活用経営のWeb運用スタイル
私達は「Web運用会社」として製造業、BtoBビジネス企業のWeb運用を行っています。新製品の販路開拓、商談数の増加、営業のデジタル化など、「Webを活用して」変化を起こしたいステージの企業様と一緒に、運用チームとして参画します。
前提となる考え
大企業とは異なり、中小企業の場合、そもそもリソースが限られているため、秀逸な一つの計画作成よりも、実行力を高めることの方が経営に与えるインパクトは大きいと考えています。スピードを武器とするということです。
また、WebやITを活用しようと考えたとき、内部人材の能力向上が不可欠です。Web運用では、運用チームに企業側からも参画いただき、一緒にPDCAを回します。「データを見ながら変化していく」ことを経験し、実行する力を高めていく… そのようなITを活用できる人材育成活動と「Web活用」とは切っても切れない関係にあると考えています。
「Web運用」できる人材は育成可能か?
10年前でしたら、Web運用人材の育成は非常に難しかったと思います。それが可能になってきた時代背景としては、「安価なクラウドツール」の登場が大きく貢献しています。例えば10年前、Web運用のために月100時間を割いたとしても、10時間で企画し、20時間でデザインし、20時間でコーディングした場合、企画ページは2ページしか作成できません。
そこにSEOのためのリサーチや、集客活動、Googleアナリティクスを使った検証活動まで考えたら、1ページしか運用できないかもしれません。
しかし、安価なクラウドツールが登場し、知識がなくても「ツールを使うことができれば」ツール開発者のコンセプトを理解し、そのノウハウを活用できるようになりました。これは、Web運用業界にとっては、革命です。ノウハウの標準化が、ツールを学習することでできるのです。
また、ツールができることはツールにやらせることで、Web運用に使える時間を圧倒的に増やすことができます。
たとえば弊社で採用しているWordPress Elementorは、Webページの運用マネジメントにかかる時間を大幅に短縮できます。ahrefsはSEOのリサーチやキーワード抽出の労力を激減してくれます。このような「安価なクラウドツール」は、これまで「専門的な知識を持った人しかできなかったこと」を簡単&スピーディに行うことを可能にし、Web運用人材の育成に貢献しています。
Let's move the work forward, and as we do, let's add detail!
とは、とにかく仕事を前に進めよう!そして、実行した私達だからこそ、そのことを詳細にすることができる。というスローガンです。計画が不要とは考えていませんが、どれだけ詳細に考えても、計画は予測にすぎません。やってみて、分かること。そのような経験を「次の計画に活かす」ことを小さいサイクルで行っていきます。