顧客の購入サイクル分析(どの程度の頻度で同じ商品を購入しているか)を行って、リピート率向上に役立てましょう。購入回数が増えて、購入間隔が短くなるほどに、利益は増えますので、どれくらいの顧客が、どれくらいの回数、特定の期間で、商品を購入しているか、理解することは大切です。
購入サイクル分析とは:
どれくらいの既存客が、どれくらいの回数、特定の期間で商品を購入しているかを分析します。
購入サイクル分析の方法:
購入回数と購入間隔の2軸でクロス分析を行います。
- 購入回数 – 初回購入日からの購入回数
- 購入間隔 – 前回購入日から今回購入日までの日数
例: 下の表は、直近一年における、購入回数と購入間隔の2軸のクロス分析です。
まず、水平軸(購入回数)を見てみましょう。2回目の購入を10日以内に行った人は11人いました。同じように、2回目の購入を20日以内に行った人は13人いました。このように確認します。
水平軸(購入回数)から読み取れること :
- 顧客の67%は、50日以内に2回目の購入を行っている。
- 最も多い3回目の購入は、2回目の購入後20日以内である。
- 顧客の78%は、2回目購入後50日以内に3回目の購入を行っている。
- 8回目以降の購入は著しく減少している。
次に、縦軸(購入期間)を確認します :
- 最も多い購入サイクルは30日で、全体の27%である。
- 購入サイクルの72%は、50日以内である。
購入サイクルデータに基づき、考えられるアクションプラン :
- 初回購入者に50日以内に2回目の購入を行っていただく方法を考える。(50日を超えると購入数は著しく減少する)
- 3回目以降の購入を、30日以内の購入サイクルで行っていただく方法を考える。
購入サイクルテーブルの作成方法
1. 下記の要素を含むテーブルを作成する。
実際の購入間隔(購入間隔2)を、およその購入間隔(10日以内、20日以内など)に変換します。
Excel関数:
下記の関数を購入間隔1のセルに設定して、購入間隔2のデータを変換します。
=IF(G2<=10,”10日未満”,IF(AND(G2>10,G2<=20),”20日未満”,IF(AND(G2>20,G2<=30),”30日未満”,IF(AND(G2>30,G2<=40),”40日未満”,IF(AND(G2>40,G2<=50),”50日未満”,IF(AND(G2>50,G2<=60),”60日未満”,IF(AND(G2>60,G2<=70),”70日未満”,IF(AND(G2>70,G2<=80),”80日未満”,IF(AND(G2>80,G2<=90),”90日未満”,IF(AND(G2>90,G2<=100),”100日未満”,IF(AND(G2>100,G2<=110),”110日未満”,IF(AND(G2>110,G2<=120),”120日未満”,IF(AND(G2>120,G2<=130),”130日未満”,IF(AND(G2>130,G2<=140),”140日未満”,IF(AND(G2>140,G2<=150),”150日未満”,IF(AND(G2>150,G2<=160),”160日未満”,IF(AND(G2>160,G2<=170),”170日未満”,IF(AND(G2>170,G2<=180),”180日未満”,”180日以上”))))))))))))))))))
Note:
G2: 購入間隔2のセルの名前に変更してください。
2. ピボットテーブルに変換する
3. ピボットテーブルの設定を行う
注文回数を「列」に、購入間隔1を「行」に設定します。
また、注文回数を「値」に設定して、それをクリックして「値フィールドの設定」を選択、値を「合計」から「データの個数」に変更します。
「合計」は、注文回数の合計値を表示します。例えば、2人の顧客が13回購入すると、「合計」は”26″を表示します。私たちが知りたいのは合計ではなく、どれくらいの顧客が13回購入したかということです。「データの個数」はデータの数をカウントし、今回の場合では顧客数”2″を表示します。
次に、基本的にピボットテーブルは、新しい日付から古い日付に並んでいませんので、次の方法で行を並び替えます。「行ラベル」の下向き矢印をクリックして、「並び替えオプション」を選択し、「手動」に設定します。
そうすると、ドラッグ&ドロップで行を移動できますので、短い期間から長い期間の順番に並ぶように行を入れ替えます。
最後に、データの重み付けを視覚的に分かりやすくするために、色を付けます。色を付ける範囲を選択してから、ホーム > 条件付き書式 から「新しいルール」を選択します。
「3色スケール」を選択します。
完成です。
データベースに定期購入者か、通常購入者かのデータを含めれば、フィルターに設定することで、購入サイクルを分けて表示することができます。
購入サイクルに影響を与える要素
最初に、取り扱っている商品の量や耐久性から、どの程度のサイクルがベストなのかを考えます。 商品がサプリメントであれば、それを全て消費するのにどれくらいの日数が必要でしょうか?また、提供しているのがリフォームサービスであれば、いつまた顧客はリフォームを再検討するでしょうか? 大前提として、購入サイクルは、取り扱っている商品やサービスに依存します。
しかし、人の記憶は購入サイクルが短い商品であれ、長い商品であれ、同じようなものですよね。 購入サイクルの長い商品しか取り扱っていないようなら、既存顧客を維持するために、もっとサイクルの短い商品を取り扱うことを検討するのは良いアイデアです。 次に、長い購入サイクルに対して、最も多い購入サイクル(多くのユーザーがこのサイクルで商品をリピートしている)に縮めることを目的として、マーケティング施策を検討します。今回の場合では、30日以内です。 イベントやキャンペーンなどこちらからの積極的な働きかけがないと、既存客は、お店の存在を忘れてしまうでしょう。